活動記録
 
 
     
 

 
竹林英雄(41年卒)
私が初めて大沼で釣りをしたのは昭和39年の7月であった。もう46年も前の事である。
今回同行した石川君が何かの雑誌の記事から情報を得て、小川原湖から大沼で一週間程夏の合宿をしようという事になり、10名程の参加をみて楽しい思い出の釣り合宿となったのである。今回和田君から是非行きましょうと提案があり、2人とも直ぐに意見が纏まった。

久々に眺める大沼と駒ケ岳の勇姿

6月6日から6泊7日の釣りの旅、こんなに長いのは学生時代以来である。
メンバーは3人。石川宏司君(42)は最近ヘラの釣行がゴルフの回数を完全に逆転したというヘラ釣り一途のヘラ師である。今年の4月から5月にかけてヘラ鮒を400枚以上釣ったというから驚きである。和田収君(48)はヘラは勿論、海釣り、渓流、また若者に人気のバス釣りもこなすオールラウンドプレーヤーである。運転もこなしてくれるので、メンバーに欠かせない存在である。

前置きが長くなってしまったが、函館空港からレンタカーに乗り継いで大沼公園へ。
湯の川温泉を過ぎる頃に、山頂が鋭い三角形の駒ケ岳が見え隠れしてきた。暫く走って函館本線と平行して走る道路に出ると、目の前にパッとあの雄大な駒ケ岳が現れ、久々に眺める勇姿に思わず見とれてしまった。大沼公園に着くと先ず現地の釣り具屋と民宿を兼ねた「巨べら屋」のご主人、藤原さんに情報を聞きに行く。藤原さんには6日間本当にお世話になりました。現在2回目のハタキが終わり、これから3回目を迎えるとの事。
上手くこれにあたれば良い釣りが出来るのではと、期待が膨らんだ。ボートで近くのポイントを案内してもらう。魚探を積んでおり、水深と魚の反応が直ぐにわかる。学生時代には考えられない進歩である。明日は反応の良かった旧キャンプ場周りで釣る事で意見が一致した。その後懐かしの昭和寺へ行く。変わらずお元気なご住職にお会い出来た。75歳とは思えぬ若々しさである。慶大生だった事も覚えておられた。今はユースはやめて改装もされ、立派なお寺になっていた。昔話に花が咲き、30分ほど話は尽きなかった。

「巨べら屋」にて情報収集ああ
懐かしの「昭和寺」の住職(中央)と
 

釣行初日旧キャンプ場付近に入るが午前中なかなかアタリが出ない。携帯で情報を取り合うが芳しくない。昼過ぎにやっと私に39センチのヘラがくる。2人に知らせる。鯉や真鮒、ウグイが多い。和田君がその後46センチを釣り、その他も型が揃った。石川君はこの日は不調で、場所を変えるも上手く行かない。私と言えばその後トラブル続きである。一度はグルテン餌を作っている間に竿を持って行かれ、ボートを放してやっと回収する有様。
二度目は良いアタリで合わせると、穂持ちと三番の継ぎ目からポッキリ折れてしまった。
長年使っていなかった竹竿でお恥ずかしい話である。穂先から仕掛け、ウキまで持って行かれたが、夕方遊覧船の船長が見付けて回収してくれたのにはびっくりした。鯉だと遠くまで運ばれ、まず回収出来ないそうである。

2日目:和田君のポイントで私と石川君が並んで釣り、和田君は裏側の影で構える。石川君が42センチと35センチの2枚、私も35センチ2枚に終る。和田君は日当たりが悪く、
寒さに勝てず早上がりして、この日は不調だった。
3日目:船外機で引いてもらい、30分程で貯木場へ。2人とも昔よく来た場所との事。
石川君は数は出たが、型は7〜8寸が多く物足りないとの事であった。和田君は40センチも交えて数も出た。私は真鮒の猛攻を浴びて、釣れてくるのは真鮒ばかり。おまけに帰りがけに2枚もバラしてしまった。1枚は姿も見えて完全にヘラだったが、1号のハリスを切られてしまった。
4日目:陸っぱりもやりたかったので、私と和田君は銚子口へ。石川君は藤原さんが前日48センチを釣った場所で、新たに藻を刈ってもらい、旧キャンプ場のポイントに入る。
銚子口は和田君にとって、昔良い釣りをした思い出の場所だそうである。スイレンが目の前にあり、丈6でピッタリ。朝もやが立ち込め、目前には駒ケ岳が広がる。鶯、カッコウ、啄木鳥の鳴き声が心地よい。これぞヘラ釣りの醍醐味である、がヘラ君とはご対面出来なかった。午後登山口に移るもアタリなしに終る。石川君は42センチを頭に11匹と好調だった。
朝もやの銚子口
巨べら!大マブ?とのファイト
 

最終日:今一番釣れているのは旧キャンプ場周りなので、全員ここで釣る事にする。
石川君は前日釣ったのと同じポイントへ、私と和田君は斜め沖合いに並んで入る。和田君は型揃いで好調に釣れ、昼前にツ抜け(10枚超え)する。私はアタリはあるがなかなか乗らない。明らかに腕の差か?石川君も午後から風向きが変わり、藻穴を塞がれて早上りする。今日は和田君が好調であった。
釣りを終えて:今回は期待の大型は和田君の46センチが最高で、50センチには届かなかったが、これは今後の楽しみに残して置きましょう。大沼では一時期、穴あき病による大量のヘラ鮒の死滅、また草魚放流によるヒシ藻の消失などで壊滅的な打撃を受けた時期もあったが、地元の人々や藤原さん等の環境保全への努力の甲斐あって、草魚も殆ど駆除され、ヒシ藻も少しずつではあるが回復してきていると言う。学生時代の様な釣りは望むべくもないが、いつまでもこの自然の美しさは残したいものである。
大沼は私にとっていつまでも心に残る好きな釣り場である。

 
 

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